カムアウトして求人応募してみたら採用された話……する?
ずいぶんと更新が空いてます。
その間で大きな出来事。
【脱ハケン、ご無沙汰です社員】
厳密にはまだハケンさんやってますが、いろいろ引継ぎ等が終わりましたら、希望の業界の社員へジョブチェンジします。
ほんとこの3年くらいのらりくらりと色々やってました。
新卒で採用された会社を辞めたあと、何をしていこうか、ぼんやりぼやぼやと24歳くらいから契約社員や派遣社員という非正規雇用を3年くらい繋いでいました。
面接官「きみー、結構短い期間で色々しごと変わってるねーー」
— ゆうぽん@みらリコ尊い (@eupon017) 2017年6月29日
私「(痛いところ突いてきたやばいやばいやばい)私のこれまでの迷いと葛藤が滲み出る履歴書になりました」
面接後
私「あほやしにたい」
→採用
人生ほんとうよく分からない
契約社員、派遣社員という立場で、だいたいいつも定時に帰れて、休みもちゃんとあって、アフターファイブもランニングしたり図書館行ったり、スーパーに行けたりと結構充実していました。
でももっとしっかり仕事にコミットしたいなあ、何ができるのかしたいのか、ぼやぼやとぽちぽちと就活をはじめたのが昨年の秋ごろ。
新卒のころは幸いにもすんなりと決まったので、20代後半にして祈られる気持ちを噛みしめておりました。
そんな転職活動の中、今回は1社だけいつもと違うことをしました。
それは
「同性のパートナーがいると応募書類でカムアウト」
そんな書類を送ったその会社から、幸いにも採用をいただきました。
実際どうだったのか、少し振り返ってみます。
◆なぜ応募書類に書いたのか
応募書類の課題に、自分の性格を表現する”エッセイ”の提出がありました。
自分の性格が出るもの
尚且つ
数多くの書類から目に留まるもの
を書かなくてはとぐるぐる悩みました。
自分の性格が出るエッセイ……。
求人の応募ですから、募集する人材にどれだけ自分がマッチしているかが伝わるエッセイにしなくてはならないと考え、募集概要をもう一度読み直しました。
▽募集概要からわかる欲しい人材▽
・問題や矛盾に立ち向かうひと
・チームワークを大切にするひと
・職種に関係なく、課題解決に積極的に取り組めるひと
また会社説明会に参加したときの印象から会社の風土を考えてみました
▽会社の風土▽
・部署を越えて親密にコミュニケーションをとっている
・双方にオープンな会話をしている
(プライベートも含め、不必要に立ち入らない程度に)
・個性的な人が多いと紹介している
これらのことを踏まえ、採用したい人材像にできるだけマッチし、自分の性格が出る題材として
「解決すべき課題を見つけて、人とのつながりを持ちながら、積極的に行動できる」
そんなエピソードを引っ張り出そうと思い、以下のようになりました。
「モテない私(解決したい課題)が、セクマイのコミュニティに入って(人とのつながり)、パートナーとなる人を見つける(積極的な行動)まで」
もしLGBTやセクシュアルマイノリティーについて、ちょっとなあと人事の方が思ったのなら私の応募書類はボツだと思いますし、それも縁ですから、まずは書いて送ろうと思ったのです。
幸いにも書類に目を通して頂き、面接に進むことができました。
◆いざ面接へ。LGBT等に対して、意外と反応が薄いという実感。
意外と、物珍しいとか、変わっているね、という反応がなく、人に対してとてもフラットな見方をされてる印象でした。
だから、自分の選んだ題材が色物として扱われてないことが少しうれしくもありました。色物として扱われるかもしれない可能性を考慮していたので「変わった子がいるから話してみよう」という雰囲気であれば、ご縁がなくてもいいかなと思っていました。
そして次の質問は鋭く、また同時に安堵するものでもありました。
「求人の応募で、わざわざ(同性のパートナーについて)書かなくてもいいよね。クローゼットに過ごす人もいるし、就職活動でオープンにしなくてもいいことだし。それをあえて題材にするのはどういう意図なの?」
わざわざプライベートな内容を書かなくてもいい。
その人がどういう人が好きなのか、応募書類に書かなくても就職はできる。
なのにテーマに選んだのはなぜなのか。
とてもスマートでフラットな質問だと感じました。
そして 世間一般でのセクマイ、LGBT等の認識はちゃんと広まっている実感がありました。
「クローゼットに過ごしている人もいる」
いろんなライフスタイルがあることを肯定した上で、この題材の意図を聞かれたので、そのような人事の方に書類を読んでもらえてよかったと思いました。
なぜそのテーマにしたのかは、先に述べた通りに面接官に説明をしました。
◆実際カムアウトして応募してみて、別に特に必要はないのではという結論
これまでもこれからも思いますが、仕事とプライベートは別です。
プライベートを仕事に持ち込まない。
仕事をプライベートに持ち込まない。
このふたつはごっちゃにせず、きちんと切り分けて考えるべきと思っています。
今回はあくまでも自分の性格を伝えるエッセイを書けという課題だったので
「”モテないと困っていた私”が頑張ってみた話」をエッセイという応募書類にしてみました。
セクマイであることは自分を構成する核ではなく、そのエッセイの中に少し含まれている多くの要素のひとつなのです。
だから自分を伝える題材は他にもあると思います。
「吹奏楽コンクールで当時演奏した曲を聴くだけで、今でもお腹が痛くなる私」
「紅茶党だった私が出会ってしまった、おいしい珈琲の話」
「学生アルバイトとして最優秀賞をもらったときの仕事への心がけ」
……きっと他にもひねり出したらある、はず。
自分を構成するいろんな要素の中で、何を選ぶかは戦略のひとつだと思います。
今回は同性のパートナーが出てくるエピソードを選んで、ご縁がないなら仕方ないと思い、でも一番最近の話題だから書いてみようと試みました。
一番大切なのは
なぜその題材にしたのか、理由も納得できるものにする。
そして、自分を構成するのはセクシュアリティだけじゃない。それは一部。
自分は思ったよりもたくさんの引き出しも中身もあるんだよ。
今回は応募書類でカムアウトすることになりましたが、カムアウトは最強のカードにはならないと思いました。
偶然にも幸運にも採用いただきましたが、カムアウトは私の全部じゃないので、ちゃんと仕事で評価してもらえるようがんばろう。
長くなっちゃった。
キュア社員、しごとも生活もがんばろうか。
by:tommy