指輪を外すのは、クローゼットなセクマイだからなんです。
喫茶店のある生活が馴染んでいるのは、名古屋生まれだから
よく「お茶いこ」と母と近くの喫茶店に行くのが、幼いころからの習慣でした。
育ちは神戸ですが、生まれは名古屋なので、幼いころからよくモーニングに行ったり、母が友人とお茶をしたりする横で座っていたりしました。
小さいので、オレンジジュースしか飲めませんでしたけど。
名古屋の喫茶店には、たくさんの漫画が置いてあります。
私は、まだ幼稚園に入園していない文字の読めない年齢なのに、その漫画を熱心に読んでいたそうです。
ちなみに本の向きは逆さまだったそうです。
文字は読めないし、絵も逆さま。小さい私は何が楽しかったのか、本人もよくわからないです。
時代は進み、コメダ珈琲が全国展開しているこの頃。
青春時代を名古屋で過ごした両親にとっては、とても馴染み深い喫茶店が実家の近くにできて、娘としては結構うれしいのです。
両親にとって、神戸という土地は故郷でもない、昔馴染みの知り合いがいるわけでもない。
そう考えると、さみしいのではないかと思うのです。
だから、お互いにとって共通の懐かしさを感じる名古屋の喫茶店が家の近くにできて、本当によかったと思っています。
そんな喫茶店でいつものようにお茶をしていたときです。
指輪をつけたままにしていて動揺してしまった私。
オーダーした後、メニュー表を立てかけるときに、左の薬指に小さな光があるのに気が付きました。
母が雑誌に目を落としているのをすばやく確認したあと、こっそりとテーブルの下で指輪を外しました。
大切な人から贈られた、大切なリング。
ずっと付けていたいのですが、まだ大切な人のことを親に言えてないままでいます。
「もし娘が、パートナーとして女性を紹介したら、なんと反応するのだろうか」
自分の親が、セクシュアルマイノリティやLGBTs等にどのような認識をしているのか、未知な部分も大きく、少し怖がっています。
何よりも、娘に同性のパートナーがいることに「育て方を間違えた」と親が自身を責めるのではないかと、それが一番怖いのです。
しかし、尊敬信頼しているパートナーのことをきちんとご紹介をして、「私は幸せです」と家族に伝えたいです。
いつ、どのように伝えるのか。
まだ方法は手さぐりですが、私自身が自分の同性を魅力的に感じるという感情を受け入れるのに3年以上はかかりました。
だから、カミングアウトしたらゴールではなく、両親へのカミングアウトからがスタートです。
指輪を外した左薬指を、右手でそっと触って、大切な家族とパートナーへ思いをめぐらせました。
やっぱり実家では外す人もいるのだと、ちょっとホッとした記事
聞いてみました!セクマイカップル♡ペアリングの話 – Girrls∞Luv!【ガールズラブ】
この記事の中に、帰省中は指輪を外すという話がでてきて、ちょっとホッとしました。
「親にいつかカミングアウトしたい」と思える人に出会えてよかったね、とセクマイの友人に言われました。
怖がっている気持ちに小さくなりそうでしたが、その言葉を聞いて、幸運で感謝ばかりだと少し元気になりました。
今、あるものに目をむけて。
がんばって。わたし。(cv:NHK朝ドラ「べっぴんさん」のナレーション)